3.懇親会の進行や挨拶、服装のマナー
前章では案内文の作成について紹介しましたが、いかがでしたか。 ここからは、懇親会当日のスムーズな司会進行の例や服装のマナーについて説明します。
司会進行や挨拶の例
同じ懇親会であっても、ビジネスとプライベートでは幹事に求められるものも異なります。 ビジネス・プライベート別に司会進行と挨拶の例を紹介します。
(ビジネス向け)懇親会の司会進行・挨拶について
初めの挨拶
懇親会開始の挨拶は、幹事が行うことが一般的です。参加者へのお礼と、幹事の名前、懇親会の趣旨の3つを押さえておくことで、よい挨拶となります。 最初の挨拶ですから、ダラダラとした長い挨拶は好まれません。 簡潔に、ハキハキと話すことを心がけましょう。
(例)
本日は懇親会にご参加いただき、ありがとうございます。司会を担当させていただきます◯◯(フルネーム)でございます。 本日の懇親会では◯◯を目的とした、有意義な時間となりますよう、願っております。 皆様、最後までよろしくお願いいたします。
社外の人がいないケースであれば、もう少しカジュアルでも構いません。笑いをとるためのネタもOKですが、他人をからかうような発言はNGです。 自虐ネタ程度にとどめましょう。
(例)
本日はお忙しい中、懇親会にご参加いただきありがとうございます。司会を担当させていただきます◯◯(フルネーム)です。 今週末締め切りの案件を抱えており、パニック状態ではありますが、本日は気分を切り替えて楽しもうと思っています。 皆様も、ぜひ本日の懇親会にて日頃のストレスを発散し、楽しいひとときをお過ごしください。
乾杯の挨拶
乾杯の挨拶は、幹事ではなく上司が行うことが一般的です。事前に打診し、依頼しておきましょう。 幹事の役割は、上司に挨拶を促すことと、挨拶終了後、真っ先に拍手を送ることです。 他の会社の方に挨拶を依頼する場合は社名→役職名→フルネームの順番に紹介します。
(例)
懇親会の開催にあたり、◯◯株式会社、部長、◯◯(フルネーム)様より乾杯の挨拶を頂戴いたします。 ◯◯様、よろしくお願いいたします。
締めの挨拶
締めの挨拶も、乾杯同様、事前に打診しておいた人物に依頼することが一般的です。 懇親会終了時間を見計らい、少し余裕を持って声をかけましょう。了解を得られた後に、紹介に進みます。 場が盛り上がっている状態ではありますが、必ず全員を注目させるようにしましょう。
(例)
宴もたけなわではございますが、終了時間が迫ってまいりました。 締めの挨拶を◯◯株式会社、部長、◯◯(フルネーム)様に頂戴いたします。 ◯◯様、よろしくお願いいたします。
(プライベート向け)懇親会の司会進行・挨拶について
子どもが通う学校関係者や、スポーツクラブなどの懇親会の場合、ビジネス向けよりも柔らかい言葉での進行、挨拶が好まれます。 一連の流れと押さえておくべきポイントを見ておきましょう。
初めの挨拶
幹事として挨拶をする場合に言うべきことは、ビジネス向けと同じです。参加者へのお礼と、幹事の名前、懇親会の趣旨を柔らかい言葉で伝えましょう。
(例)
本日はお忙しい中、◯◯懇親会にお集まりいただきありがとうございます。◯◯の母(父)です。 本日は担任の先生も交え、保護者同士の親睦、情報交換の場として楽しいひとときを過ごせればと思っております。 よろしくお願いいたします。
自己紹介
懇親会では一人ずつ、自己紹介が求められます。ここでのポイントは、長くならないよう簡潔にまとめることです。子どものことについて少し触れる程度が無難です。 詳しい話は、全員の自己紹介が終わり歓談タイムになってから行いましょう。
(例)
◯◯の母(父)です。人見知りなところのある◯◯ですが、学校で新しい友達もできたようで安心しています。よろしくお願いいたします。
(例)
◯◯の母(父)です。転校してきたばかりでわからないことばかりなので、お世話になることも多いと思います。よろしくお願いいたします。
TPOに合わせた服装を。オフィスカジュアルが無難
懇親会にふさわしい服装とは何か、悩む人もいるのではないでしょうか。ここではビジネス、プライベート別にTPOに合わせた服装の選び方のコツを紹介します。
社会人・ビジネス向け
ひとことでビジネス向けといっても、懇親会の内容はさまざまです。自分が参加する会の趣旨を理解した上で選択すると、ズレを防ぐことができます。
会長や社長が出席する懇親会
オフィススタイルをアレンジしたセミフォーマルがおすすめです。あくまで会社の延長であることを踏まえ、清潔感と華やかさの両立を心がけてください。 女性の場合は、やわらかな印象のあるニットや全年代に好印象のフレアスカートを選びましょう。アクセサリーをひとつ加えると、華やかさが増します。
ホテルなどで行われる懇親会
基本はドレスコードに合わせましょう。前年度の写真などがある場合は、参考にするとよいでしょう。会社や組織によって異なりますが、オフィスカジュアルで参加OKの場合もあります。
セミナー後などの懇親会
セミナーの内容にもよりますが、一般的にはスーツやビジネスカジュアルでの参加も問題ありません。女性の場合は華美すぎる服装や露出が多い服装は避けた方が無難です。格調高い会場で行われる場合は、事前にドレスコードを確認しておきましょう。男性はジャケットとネクタイ、女性はドレスやスーツが基本です。
内定者懇親会
内定者の懇親会は、すでに面接は終わっているとはいえ、採用活動の延長と考えるべきです。 社会人としての自覚を持つ意味でも、スーツやオフィスカジュアルを選択しましょう。 企業側からスーツでの参加と指定がある場合は、リクルートスーツを着用します。 私服との指定がある場合、スーツはNGです。ただ、私服といってもカジュアルな服は印象がよくありません。 男性はチノパンに襟付きのシャツ、ジャケット、革靴、女性はシャツやブラウスにパンツや膝下丈のスカート、夏でなければジャケットといった組み合わせが良いでしょう。 この場合、華やかさは必要ありません。白、黒、ベージュ、紺など落ち着いた色を基本に選ぶと無難です。
また、服装の指定がない場合は、担当者にメールで確認する方法もあります。その場合は「お忙しいところ申し訳ございませんが」といった言葉を添え、尋ねるようにしましょう。
プライベート向け
PTAなど学校関連の懇親会
セミナーの内容にもよりますが、一般的には極端なカジュアルやフォーマルは避けます。 オフィスカジュアルやスマートカジュアルといった程度でまとめておきましょう。 露出の多い服装や派手なアクセサリーなどは控えます。 あくまで学校関連の集まりであることを理解しておきましょう。 男性の場合はチノパンやスラックスに襟付きのシャツ、ジャケット、革靴などの組み合わせが無難です。 女性の場合はワンピースや、膝丈のスカート、パンツに、シンプルなシャツやブラウス、 冬であれば優しい色合いのニットなどの組み合わせも良いでしょう。
保護者同士、知人同士
保護者だけの懇親会や、元々顔見知りの関係の懇親会は、会場の場所によって服装を選びましょう。 ホテルであればドレスコードを遵守すべきですし、 カジュアルなレストランであればオフィスカジュアルやスマートカジュアルが無難です。
また、ビジネス、プライベートを通して言えることですが、ドレスコードが定められている場合は、規定を参考に服を選ぶようにしてください。